住友金属鉱山「Battery to Battery」電池リサイクル事業化プロジェクト

住友金属鉱山「Battery to Battery」電池リサイクル事業化

PROJECT STATUS

プロジェクトの現在地

現在の段階
実証
状態
進行中
開始日
2022-04-19
商品化目標
2026年度にプレ商業プラントの試運転・操業開始、2025~2027年度中に年間1万トンの処理体制確立
商品・サービス
Battery to Battery水平リサイクル

住友金属鉱山は、使用済みリチウムイオン電池や電池製造時に発生する中間物から、銅とニッケルを回収する再資源化を2017年から行っています。

回収したニッケルは、同社の磯浦工場でリチウムイオン電池用正極材へ加工されます。これにより、使用済み電池から回収したニッケルを再び電池材料へ戻すBattery to Batteryの水平リサイクルを国内で初めて実現しました。

その後、同社はコバルトの回収技術を開発し、2021年に正極材原料として利用できる純度まで精製できることを実証しました。

リチウムについては、関東電化工業と共同で、乾式製錬時に発生するスラグから高純度リチウム化合物を回収する技術を確立しました。

2022年4月には、住友金属鉱山と関東電化工業の「蓄電池リサイクルプロセスの開発と実証」が、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択されました。

住友金属鉱山は愛媛県の東予工場とニッケル工場、関東電化工業は岡山県の水島工場に関連設備を構築しています。

計画する処理能力は、使用済みリチウムイオン電池のセル換算で年間約1万トンです。

経済産業省の2026年6月時点の資料では、中規模実証設備の構築を進め、リチウム70%、ニッケル・コバルト95%という回収率目標を達成できるか検証する段階とされています。

この数値は目標であり、商業設備で達成済みの回収実績ではありません。

住友金属鉱山は当初、関連プラントを2026年6月に完成させる計画を示していました。一方、現在確認できる公式情報では、本格的な商業運転開始と実処理量は公表されていません。

したがって、現在の段階は「量産開始」や「商用化完了」ではなく、プレ商業規模の設備を使った実証および事業化準備と判断します。

2026年5月には、住友金属鉱山と住友商事がオセアニアにおける電池リサイクル事業の事業化調査に関する覚書を締結しました。

構想では、オーストラリアとニュージーランドで使用済みEV電池などを回収し、現地で無害化、破砕、選別を行ってブラックマスへ加工します。そのブラックマスを愛媛県の設備へ運び、金属を回収して電池材料へ戻します。

国内で発生する使用済みEV電池は、当面十分な量が集まらない可能性があります。海外からブラックマスを確保する構想は、年間1万トンの設備を安定稼働させるための原料調達戦略でもあります。

今後は設備完成だけでなく、実際に使用済み電池を集められるか、目標回収率を達成できるか、再生材料が顧客に採用されるか、天然資源由来の材料と価格面で競争できるかが焦点になります。

使用技術とプロジェクト内での用途

参加企業とプロジェクト内での役割

参加企業

住友金属鉱山株式会社

役割プロジェクトの幹事企業。使用済み電池の乾式製錬、銅・ニッケル・コバルトの回収、湿式精錬、電池用正極材への再資源化、プレ商業プラントの構築と運転を担当する。

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参加企業

住友商事株式会社

役割オーストラリアとニュージーランドにおける使用済み電池の回収、現地事業者との連携、ブラックマスの製造、国際輸送、愛媛県の製錬設備へ接続する循環型サプライチェーンの事業化調査を担当する。

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技術的・産業的な接点を理解するための参考情報です。正式な提携や採用を示すものではありません。

この記事を書いた人

趣味を兼ねた骨董品の売買を経て、株式やFXなどの投資に関心を持つようになりました。

投資先を考える根拠として日本企業の技術を調べる中で、見つけた情報とその後の進展を記録する必要性を感じ、AIの力を借りて「未来産業地図」を制作。

技術・企業・プロジェクトを結び付け、研究、実証、量産、商用化までの動きを継続して追跡しています。

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