TECHNOLOGY PROFILE
遠隔監視型レベル4自動運転システム
Remote-Monitored Level 4 Autonomous Driving System
技術概要
カメラ、レーダー、LiDAR、AI、車両制御、遠隔監視を組み合わせ、限定された区域と条件で運転者を必要とせずに走行する技術です。車両が判断できない状況では遠隔担当者が支援し、複数車両による移動サービスの安全な運行を目指します。
技術詳細
遠隔監視型レベル4自動運転システムは、車両による自律走行と、人による遠隔監視・支援を組み合わせた自動運転技術です。
レベル4自動運転では、あらかじめ定められた区域、道路、速度、天候などの条件を満たす場合、運転者が操作や監視を行わなくても、自動運転システムが運転を担当します。
車両は、カメラ、レーダー、LiDARなどを使って周囲を認識します。
カメラは信号、道路標識、車線、歩行者などの視覚情報を取得します。レーダーは周囲の物体までの距離や速度を測定し、LiDARはレーザー光を利用して車両周辺の形状を立体的に把握します。
複数のセンサーから得た情報を統合することで、特定のセンサーが苦手とする状況を相互に補います。
日産の最新実験車両はセレナをベースとし、14台のカメラ、9台のレーダー、6台のLiDARを搭載しています。
車高のあるミニバンのルーフへセンサーを配置することで検出範囲を広げ、歩行者の行動予測、合流時の車線変更、交差点へ進入できるかどうかの判断など、都市部の複雑な状況に対応します。
自動運転システムは、センサーが取得した情報から周囲の状況を認識し、他の車両や歩行者が次にどのように動くかを予測します。そのうえで、走行経路、速度、停止、車線変更、回避などを判断し、車両を制御します。
しかし、道路工事、警察官による手信号、事故車両、予期しない障害物など、あらかじめ想定しにくい状況もあります。
そのような場合に、遠隔監視センターの担当者が車両の状況を確認し、安全な走行方法を支援します。
日産が開発するシームレス・オートノマス・モビリティ、SAMは、自動運転車が判断に迷った場合、人が遠隔から適切な対応を示し、その情報をクラウドで共有する仕組みです。
遠隔担当者が車両を常時運転するのではなく、車両から支援を求められた場合に判断を補助することが想定されています。
遠隔監視型システムの事業価値は、一人の担当者が何台の車両を安全に管理できるかによって大きく変わります。
一人が一台だけを監視する場合、車内の運転者を遠隔監視室へ移しただけになり、人件費削減の効果は限定されます。
一人で複数台を管理し、介入回数を減らすことができれば、運転手不足への対応と運行コストの削減につながる可能性があります。
技術には、自動運転機能だけでなく、通信障害への対応、車両や自動運転システムの故障検知、安全な停止、無人での乗降確認、車内監視、緊急時の連絡なども必要です。
サービスとして使用する場合は、配車、予約、決済、運行計画、充電、整備、清掃、利用者対応とも連携させる必要があります。
今後の評価では、公道での安全走行距離、遠隔介入の回数、通信障害時の動作、担当者一人当たりの監視台数、車両の稼働率、運行コストを確認する必要があります。
2027年度のサービス提供は実用化目標であり、全国のあらゆる道路を無人で走れることを意味しません。
限定された地域と条件でサービスを開始し、安全性と採算性を確認しながら運行区域を拡大できるかが重要です。
