TECHNOLOGY PROFILE
マイクロ波アシスト磁気記録
Microwave-Assisted Magnetic Recording
技術概要
マイクロ波を利用して磁気記録を補助し、HDDの記録密度を高める技術です。東芝は磁束制御型マイクロ波アシスト磁気記録「FC-MAMR」をニアラインHDDへ採用し、さらに共鳴型MAMRなどの次世代技術を研究しています。
技術詳細
HDDの磁気ディスクへ高密度にデータを記録するには、記録された磁気情報が熱などによって変化しにくい材料が必要です。一方、磁気的に安定した材料ほど、磁気ヘッドから情報を書き込むことが難しくなります。
マイクロ波アシスト磁気記録は、マイクロ波によって磁気記録を補助し、高い安定性を持つ記録媒体へ情報を書き込みやすくする技術です。HDDの外形を大きく変えずに記録密度を高められる可能性があります。
東芝は、磁気ヘッドから発生する磁束を制御して記録能力を高めるFC-MAMRを製品へ採用しています。2026年3月にサンプル出荷を開始したM12シリーズでは、FC-MAMR、SMR、11枚の磁気ディスク、ガラス基板、ヘリウム充填を組み合わせ、30~34TBを実現しました。
同社はさらに、スピントルク発振素子が発生させるマイクロ波を利用する共鳴型MAMRの研究も進めています。将来的には、MAMRの高度化と12枚実装技術を組み合わせ、40TB級以上のニアラインHDDへつなげる計画です。
想定用途
- データセンター向けニアラインHDD
- クラウドストレージ
- 生成AIデータの保存
- 大容量バックアップ
- ビッグデータの長期保管
- 動画配信サービスの保存基盤
技術的課題
- マイクロ波発振状態の安定制御
- 記録密度と書き込み精度の両立
- 磁気ヘッドの耐久性
- 発熱と消費電力
- ディスク間の性能ばらつき
- 大容量化に伴うエラー制御
- 量産時の品質確保
- HAMRやSSDとの競争
