多枚数磁気ディスク実装技術

多枚数磁気ディスク実装技術

TECHNOLOGY PROFILE

多枚数磁気ディスク実装技術

Multi-Platter HDD Stacking Technology

技術概要

3.5型HDDの筐体サイズを維持しながら、内部に搭載する磁気ディスクの枚数を増やして記憶容量を拡大する技術です。東芝デバイス&ストレージは、主要部品の薄型化、ディスク積層高さの縮小、ガラス基板の採用などにより、磁気ディスク12枚を実装した試作機の検証に成功しています。

技術詳細

HDDの記憶容量を増やす方法には、磁気ディスク1枚当たりの記録密度を高める方法と、筐体内に搭載する磁気ディスクの枚数を増やす方法があります。

多枚数磁気ディスク実装技術は、一般的な3.5型HDDの外形を維持しながら、内部部品を薄型化し、より多くの磁気ディスクを高い精度で配置する技術です。

磁気ディスクを増やすと、ディスク、スペーサー、磁気ヘッド、アームなどを限られた空間へ収める必要があります。積層精度、回転時の振動、発熱、消費電力、ヘッドの位置決め、部品同士の干渉、長期間の信頼性など、複数の課題を同時に解決しなければなりません。

東芝デバイス&ストレージは、小型・薄型HDDで培った設計・解析技術を活用し、主要部品の薄型化とディスク積層高さの縮小を進めました。また、記録媒体の基板を従来のアルミニウムから、薄型化しやすく機械的な安定性に優れるガラスへ変更しています。

2026年3月にサンプル出荷が始まったM12シリーズでは、前世代より1枚多い11枚の磁気ディスクが実装されています。さらに同社は、12枚の磁気ディスクを実装する技術の検証にも成功しており、MAMRと組み合わせて2027年に40TB級HDDを市場投入する計画です。

想定用途

  • 大規模クラウドデータセンター
  • 生成AI用データの保存
  • 動画・画像データの長期保存
  • 企業のバックアップ
  • ビッグデータ分析基盤
  • 大容量アーカイブ
  • 監視映像の保存
  • 研究機関のデータ保管

技術的課題

  • 12枚のディスクを収める部品の薄型化
  • ディスク積層精度の確保
  • 回転時の振動抑制
  • 磁気ヘッドの位置決め精度
  • 発熱と消費電力
  • ガラス基板の耐久性
  • 製造歩留まり
  • 24時間連続稼働に必要な信頼性
  • 量産コスト
  • データセンター顧客による認定

この技術を使用するプロジェクト

この記事を書いた人

趣味を兼ねた骨董品の売買を経て、株式やFXなどの投資に関心を持つようになりました。

投資先を考える根拠として日本企業の技術を調べる中で、見つけた情報とその後の進展を記録する必要性を感じ、AIの力を借りて「未来産業地図」を制作。

技術・企業・プロジェクトを結び付け、研究、実証、量産、商用化までの動きを継続して追跡しています。

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