Re-BooTプロジェクト

Re-BooTプロジェクト

PROJECT STATUS

プロジェクトの現在地

現在の段階
試作品
状態
進行中
開始日
2024-10-01
商品化目標
2028年に飛行実証予定
目次

Re-BooTプロジェクト

Re-BooTは、JAXAが進める「ロバスト低ブーム超音速機設計技術実証」プロジェクトです。

正式名称は「Robust en-route sonic-Boom mitigation Technology demonstration」。超音速飛行によって地上へ届く衝撃音「ソニックブーム」を、機体設計によって広い範囲で抑える技術の確立を目指しています。

プロジェクトの目的

Re-BooTには、二つの主要な目的があります。

  1. ロバスト低ブーム設計技術を無人実証機で飛行実証する

  2. 同技術を適用した静かな超音速旅客機を概念設計する

超音速旅客機の実用化を妨げてきた大きな壁の一つが、ソニックブームです。

従来の超音速旅客機は、陸地上空での超音速飛行を厳しく制限されました。そのため高速性能を発揮できる路線が海上中心に限られ、十分な市場を形成できませんでした。

Re-BooTでは、設計時の巡航条件や飛行経路の直下だけでなく、速度や飛行位置が変化した場合や、経路の側方でもソニックブームを抑える設計技術を検証します。

開発する実証機

飛行実証に使用するのは、全長約10メートルの無人実証機です。

実証機には、自力で離陸するためのエンジンを搭載しません。有人航空機で高度約13キロメートルまで運ばれ、上空で分離されます。

分離後は重力によって加速し、超音速へ到達。搭載コンピューターによる自律制御で、指定された位置や速度を保ちながら地上の計測地点上空を飛行します。

発生した圧力波は地上設備に加え、係留気球で上空へ持ち上げたマイクでも測定します。

地表付近では大気の乱れによってソニックブームの波形が変化しやすいため、比較的安定した高度でも測定し、設計時の予測と比較します。

開発体制

JAXAがロバスト低ブーム設計技術を使って実証機の形状を設計し、三菱重工業が実証機の開発・製造を主に担当します。

また、JAXAはNASAやBoeingとも、低ソニックブーム設計や風洞試験に関する研究協力を進めています。

2026年3月には、Boeingが概念設計した将来の超音速旅客機へJAXAの技術を適用し、改良前後の模型を比較する共同風洞試験が実施されました。

現在の開発段階

2026年時点で、プロジェクトは設計・風洞試験から実証機の製造段階へ移っています。

実証機の最初の構造部品は、三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所で加工されました。

さらに、実証機の約25分の1模型をマッハ1.6の超音速気流に入れ、機体周辺に生じる圧力変動を測定。実測結果が設計時の予測とよく一致することが確認されています。

飛行実証は2028年ごろ、スウェーデン北部のエスレンジ宇宙センター周辺で実施する計画です。

目標とする成果

飛行実証では、実証機が発生させるソニックブームの波形が、設計時の予測どおりになっているかを確認します。

その後は、実証結果と超音速旅客機の概念設計をICAOへ提示し、将来の超音速機に適用される国際騒音基準の策定へ貢献する方針です。

最終的な目標は、JAXAが単独で超音速旅客機を製造することではありません。

日本が低ブーム設計技術を確立し、将来の超音速旅客機に関する国際共同開発へ、日本の航空機産業が重要技術の供給者として参加できる状態をつくることです。

プロジェクトタイムライン

2015年

D-SENDプロジェクトの飛行試験により、低ソニックブーム設計の基本概念を実証。

2024年10月

Re-BooTが正式なプロジェクトへ移行。

2025年

実証機の空力特性・ソニックブーム特性を確認する風洞試験を実施。

通信アンテナ試験や、スウェーデンの飛行試験場における現地調査も進められた。

2026年

Boeingと将来の低ブーム超音速旅客機を想定した共同風洞試験を実施。

実証機の最初の構造部品を加工し、製造段階へ移行。

マッハ1.6の風洞試験で、実測された圧力変動と設計予測がよく一致することを確認。

2028年ごろ

無人実証機を使った超音速飛行実証を計画。

2029年以降

実証結果を評価し、ICAOの国際基準策定や超音速旅客機の国際共同開発につなげる。

実用化までの主な課題

  • 広い飛行条件での低ブーム効果の実証

  • 離着陸時の空港騒音

  • 燃料消費量とCO₂排出量

  • 商業運航に必要な航続距離

  • 機体の製造費と整備費

  • 航空会社が採算を確保できる運航コスト

  • 超音速飛行に関する国際基準

  • 各国における型式証明と飛行規制

関連技術

  • ロバスト低ブーム設計技術

  • 超音速空力設計

  • 数値流体力学

  • ソニックブーム計測

  • 無人自律飛行制御

関連企業・機関

  • JAXA

  • 三菱重工業

  • Boeing

  • NASA

  • 明星電気

公式情報

使用技術とプロジェクト内での用途

参加企業とプロジェクト内での役割

参加企業

Boeing

役割超音速旅客機の概念設計・共同風洞試験

将来の低ブーム超音速旅客機を想定したLow-Boom STCAの概念設計と、JAXAのロバスト低ブーム設計技術を適用した模型の共同風洞試験に協力。

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技術的・産業的な接点を理解するための参考情報です。正式な提携や採用を示すものではありません。

この記事を書いた人

趣味を兼ねた骨董品の売買を経て、株式やFXなどの投資に関心を持つようになりました。

投資先を考える根拠として日本企業の技術を調べる中で、見つけた情報とその後の進展を記録する必要性を感じ、AIの力を借りて「未来産業地図」を制作。

技術・企業・プロジェクトを結び付け、研究、実証、量産、商用化までの動きを継続して追跡しています。

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