TECHNOLOGY PROFILE
ペロブスカイト・シリコンタンデム太陽電池
Perovskite-Silicon Tandem Solar Cell
技術概要
ペロブスカイト太陽電池とシリコン太陽電池を積層し、それぞれが異なる波長の光を吸収することで、単独の太陽電池よりも高い変換効率を目指す次世代太陽電池技術です。
技術詳細
ペロブスカイト・シリコンタンデム太陽電池は、ペロブスカイト太陽電池とシリコン太陽電池を上下に重ねる次世代型太陽電池です。
太陽光には、波長の異なるさまざまな光が含まれています。
一般的なシリコン太陽電池だけでは、すべての波長を効率よく電力へ変換することはできません。
タンデム太陽電池では、上部のペロブスカイト層と下部のシリコン層に、それぞれが得意とする波長の光を吸収させます。
複数の材料を組み合わせることで、単独のシリコン太陽電池や単接合型ペロブスカイト太陽電池を上回る変換効率を目指せます。
日本では、NEDOのグリーンイノベーション基金事業を通じて、長州産業株式会社と株式会社カネカが量産技術開発に取り組んでいます。
目標は、1平方メートル以上の大型モジュールで変換効率30%以上、住宅用発電コスト12円/kWh以下です。
長州産業は、大面積へ均一にペロブスカイト層を形成する成膜工程、モジュール化、耐久性、量産工程の開発を進めます。
カネカは、ヘテロ接合型結晶シリコン太陽電池へペロブスカイト層を重ね、住宅の屋根や壁、瓦一体型モジュールなどへの導入を想定しています。
タンデム化には、高効率化以外にも課題があります。
小さな試験用セルで高い性能を得られても、1平方メートル以上へ大型化すると、塗布のむら、膜の欠陥、配線抵抗などによって性能が低下する可能性があります。
上部と下部の太陽電池をつなぐ中間層の最適化、平坦ではないシリコン表面への均一な成膜、湿気や熱に対する耐久性、短時間で大量生産する工程も必要です。
そのため、変換効率の記録だけでは実用化を判断できません。
大型モジュールでの性能、耐久年数、歩留まり、生産速度、製造原価、設置後の発電量、製品保証を確認する必要があります。
実用化されれば、同じ設置面積から得られる電力量を増やせる可能性があります。
屋根面積が限られる住宅、ビル、工場などでは、単位面積当たりの発電量向上が大きな利点になります。
一方、既存のシリコン太陽電池より高価になれば、変換効率が高くても普及しない可能性があります。
今後は、2028年度に予定されるカネカの製品販売、長州産業の大型モジュール開発、各社の量産設備、発電コスト、採用先を確認する必要があります。
