中部電力株式会社

中部電力株式会社

COMPANY PROFILE

中部電力株式会社

業種
エネルギー
証券コード
9502

外部サイトは参考情報です。当サイトが特定の投資判断を推奨するものではありません。

中部電力株式会社は、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、長野県を中心とする中部地域を事業基盤とする総合エネルギー企業です。

1951年5月に設立され、長年にわたり発電、送配電、電力販売を一体的に手掛けてきました。電力システム改革に伴い、2020年4月に送配電事業を中部電力パワーグリッド株式会社、電気・ガスの販売事業を中部電力ミライズ株式会社へ承継しました。

現在の中部電力は、グループ全体の経営管理を担うとともに、再生可能エネルギー、原子力、海外エネルギー、地域インフラ、新規サービスなどを直接展開しています。

目次

中部電力グループの事業構造

中部電力グループの主要な事業は、複数の事業会社によって運営されています。

中部電力パワーグリッドは、中部地域の送電線、変電所、配電設備を管理し、電力を安定して届ける一般送配電事業を担当しています。

中部電力ミライズは、家庭や法人への電力・ガス販売、再生可能エネルギーを利用した電力サービス、PPA、省エネルギー支援、法人向け脱炭素ソリューションなどを担当しています。

火力発電、LNGを中心とする燃料調達、国内外の発電事業については、東京電力フュエル&パワーと共同出資する株式会社JERAが中心的な役割を担っています。

このほか、シーエナジーなどのグループ企業が、太陽光発電、バイオマス発電、地熱発電、小水力発電、オンサイトエネルギーサービス、設備保守などを展開しています。

再生可能エネルギー事業

中部電力は、水力、風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギー電源を開発・運営しています。

水力発電は、中部地域の地形と水資源を活用してきた同社の主要な低炭素電源です。既存設備の改修や出力向上に加え、風力、太陽光、バイオマスなどの新しい電源開発も進めています。

中部電力グループは、2030年ごろまでに、2017年度末と比較して再生可能エネルギーを320万kW以上拡大する目標を掲げています。

再生可能エネルギーの導入拡大では、発電所の建設だけでなく、企業が長期間にわたって再生可能エネルギーの環境価値を調達するPPA、蓄電池、需給調整、電力の地産地消なども重要になります。

原子力発電と安定供給

中部電力は、静岡県御前崎市に浜岡原子力発電所を保有しています。

原子力発電所の安全対策、規制当局による審査、地域との合意形成は、中部電力の経営と電力調達コストに大きく影響する要素です。

再稼働の時期や稼働後の発電量によっては、火力発電用燃料の調達量、電力の市場調達費用、二酸化炭素排出量が変化する可能性があります。一方で、安全対策工事や設備維持には継続的な費用が必要です。

JERAを通じた燃料・火力発電事業

中部電力は、東京電力グループと共同出資するJERAを通じて、LNGを中心とする燃料調達、火力発電、海外発電事業に関与しています。

JERAは国内外で大規模な発電設備と燃料調達網を運営しており、中部電力の連結業績を考えるうえで重要な関連会社です。

今後は、既存火力発電の効率向上に加えて、水素、アンモニア、CCUSなどを活用した火力発電の低炭素化が課題となります。ただし、燃料価格、技術コスト、政策支援、二酸化炭素削減効果を継続的に確認する必要があります。

海外事業と新しい成長分野

中部電力は、欧州やアジア太平洋地域を中心に、再生可能エネルギー、送配電、小売電気、新しいエネルギーサービスへの投資を進めています。

国内では人口減少や省エネルギーの進展によって、従来型の電力販売だけで大幅な成長を続けることが難しくなっています。このため、海外エネルギー事業、再生可能エネルギー、データ活用、地域インフラ、医療、食農、モビリティなどを新しい収益源として育てる方針です。

電力使用データを活用した生活支援や医療関連サービス、EV充電、蓄電池、地域マイクログリッドなど、電力販売以外の分野にも事業領域を広げています。

次世代太陽電池との関係

中部電力グループは、ペロブスカイト太陽電池の発電特性、施工方法、運用方法を確認する実証に参加しています。

中部電力ミライズは、愛知県、アイシン、関西電力などとペロブスカイト太陽電池の普及拡大に向けた取り組みを進めています。

また、グループ会社のシーエナジーは、発電設備の運営、PPA、保守管理、電力販売などの実務を担っています。次世代太陽電池が商用化された場合、中部電力グループは製品を製造する立場ではなく、設備の導入、運営、保守、電力販売を組み合わせたサービス事業者として関与する可能性があります。

投資判断で確認すべき点

中部電力の業績は、販売電力量だけでなく、燃料価格、卸電力価格、原子力発電所の稼働状況、再生可能エネルギーへの投資、JERAの利益、規制制度などの影響を受けます。

今後は、次の点が重要になります。

  • 浜岡原子力発電所の安全審査と再稼働時期
  • JERAの燃料調達費用と利益
  • 再生可能エネルギー320万kW拡大計画の進捗
  • 洋上風力、太陽光、水力、バイオマスの投資採算
  • 蓄電池と電力需給調整事業の収益化
  • 海外エネルギー事業の利益貢献
  • 中部電力ミライズの電力・ガス販売収益
  • ペロブスカイト太陽電池など新技術の事業化
  • データセンターや電化による電力需要の増加
  • 設備投資額、有利子負債、株主還元のバランス

中部電力は、地域電力会社としての安定供給を維持しながら、再生可能エネルギー、海外事業、地域インフラ、新サービスを成長事業へ転換できるかが注目される企業です。

参考資料

中部電力「会社概要」

中部電力「中部電力グループ」

中部電力「経済産業大臣からの会社分割の認可について」

中部電力「グローバル事業の位置付けと戦略」

中部電力「中期経営計画達成に向けた取り組み」

※企業情報は2026年9月時点の公開資料をもとにしています。

この企業が参加するプロジェクト

この記事を書いた人

趣味を兼ねた骨董品の売買を経て、株式やFXなどの投資に関心を持つようになりました。

投資先を考える根拠として日本企業の技術を調べる中で、見つけた情報とその後の進展を記録する必要性を感じ、AIの力を借りて「未来産業地図」を制作。

技術・企業・プロジェクトを結び付け、研究、実証、量産、商用化までの動きを継続して追跡しています。

目次