中部電力ミライズ株式会社

中部電力ミライズ株式会社

COMPANY PROFILE

中部電力ミライズ株式会社

業種
エネルギー

外部サイトは参考情報です。当サイトが特定の投資判断を推奨するものではありません。

中部電力ミライズ株式会社は、中部電力グループの電力・ガス販売と顧客向けサービスを担う事業会社です。

電力システム改革に対応するため、2020年4月1日に中部電力から電気・ガス販売事業などを承継して事業を開始しました。資本金は40億円で、本店を愛知県名古屋市に置いています。

家庭、商店、工場、オフィス、公共施設などへ電気とガスを販売するだけでなく、太陽光発電、蓄電池、省エネルギー設備、PPA、電力の需給管理、環境価値などを組み合わせたサービスを提供しています。

目次

中部電力グループの顧客接点を担う会社

中部電力ミライズは、中部電力グループのフロント・マーケティング機能を担っています。

発電所や送配電設備を中心とする会社ではなく、家庭や法人と契約を結び、電力、ガス、設備、脱炭素サービスを届ける会社です。

電力小売りの全面自由化後は、地域電力会社以外の事業者との競争が進んでいます。そのため、電気料金だけでなく、ガス、住宅設備、ポイント、保険、見守り、EV充電などを組み合わせ、顧客との継続的な関係を構築することが重要になっています。

法人向けエネルギー事業

法人向けには、工場、物流施設、商業施設、オフィスなどを対象に、電力・ガス販売とエネルギー設備を組み合わせたサービスを展開しています。

主な事業には、太陽光発電設備を顧客の敷地内へ設置するオンサイトPPA、離れた場所の発電所から再生可能エネルギーを供給するオフサイトPPA、環境価値を長期調達するバーチャルPPAなどがあります。

設備を設置するだけでなく、発電量の管理、電力の需給調整、設備保守、二酸化炭素排出量の算定などを組み合わせることで、法人顧客の脱炭素化を支援しています。

工場の屋根、駐車場、遊休地などを利用した太陽光発電のほか、蓄電池、コージェネレーション、空調設備、ボイラー、エネルギー管理システムなども提案対象になります。

家庭向けサービス

家庭向けには、電力とガスの料金プランに加え、会員サービス「カテエネ」を通じた料金確認、ポイントサービス、住宅設備、生活支援などを提供しています。

太陽光発電、家庭用蓄電池、エコキュート、IHクッキングヒーター、EV充電設備など、住宅の電化と省エネルギーに関するサービスも展開しています。

電力販売だけでは価格競争に陥りやすいため、住宅設備や生活支援サービスを組み合わせ、顧客1件当たりの提供価値を高めることが課題になります。

グループ会社を通じた事業展開

中部電力ミライズの傘下には、エネルギー設備や生活関連サービスを提供する複数の会社があります。

株式会社シーエナジーは、オンサイトエネルギーサービス、LNG販売、再生可能エネルギー発電、電力小売、PPA、太陽光発電設備の運用・保守を手掛けています。

このほか、電力販売を行うダイヤモンドパワー、家庭や法人向け設備を扱う中電エナジーサービス、暮らし関連サービスを提供する中部電力ミライズコネクト、EV充電事業を展開するミライズエネチェンジなどがあります。

中部電力ミライズは、これらのグループ会社を通じて、電力販売だけでは対応できない設備導入、保守、生活支援、新規サービスまで事業範囲を広げています。

再生可能エネルギーとPPA

企業が脱炭素目標を達成するためには、再生可能エネルギー由来の電力と環境価値を長期間、安定して調達する必要があります。

中部電力ミライズは、太陽光発電所や顧客施設の発電設備を利用し、オンサイトPPA、オフサイトPPA、バーチャルPPAなどを提供しています。

この事業では、契約期間中の発電量、電力市場価格、設備保守費用、需要家の電力使用量などを管理する必要があります。単純な電力販売よりも契約期間が長く、設備運用や電力需給管理を含む継続的な収益につながる可能性があります。

一方で、設備価格の上昇、金利、発電量の変動、契約先の信用力などが事業採算へ影響します。

ペロブスカイト太陽電池への取り組み

中部電力ミライズは、株式会社アイシン、関西電力株式会社と共同で、愛知県内におけるペロブスカイト太陽電池の普及拡大に取り組んでいます。

この取り組みでは、公共施設や民間施設への実証導入、導入可能な場所の調査、設置上の課題整理、PPAを利用した普及方法などを検討しています。

ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟性があるため、従来のシリコン太陽電池では設置しにくかった建物の壁面、耐荷重の小さい屋根、曲面などへ導入できる可能性があります。

中部電力ミライズは太陽電池を製造する企業ではありません。発電設備の導入計画、PPA、電力販売、環境価値、顧客施設への提案などを担当し、技術を実際のエネルギーサービスへ結び付ける役割を担います。

中部電力の業績との関係

中部電力ミライズは非上場企業であり、同社株式を直接購入することはできません。

同社の電力・ガス販売、法人向けPPA、脱炭素サービスなどの業績は、親会社である中部電力の連結決算に反映されます。

そのため、中部電力ミライズのプロジェクトを投資判断に利用する場合は、個別案件の発電量や契約額だけでなく、中部電力グループの販売事業全体へどの程度横展開されるかを見る必要があります。

今後の注目点

中部電力ミライズについては、次の点が注目されます。

  • 家庭・法人向け電力販売の契約数と収益性
  • 燃料価格や卸電力価格の料金への反映
  • オンサイト・オフサイトPPAの契約拡大
  • 蓄電池と電力需給調整サービスの収益化
  • EV充電サービスの拡大
  • 法人向け脱炭素支援の受注
  • ペロブスカイト太陽電池のPPAへの採用
  • シーエナジーなどグループ会社との連携
  • 電力販売以外の生活支援・金融・保険サービス
  • 中部電力の連結利益への貢献

中部電力ミライズは、中部電力グループが保有する電源や設備を、顧客向けの商品やサービスへ変換する役割を担っています。新しいエネルギー技術が開発されても、顧客との契約や事業モデルが確立しなければ収益にはなりません。

同社がペロブスカイト太陽電池、蓄電池、EV、PPAなどを継続的な収益サービスへ転換できるかが、今後の重要な評価点です。

参考資料

中部電力ミライズ「会社概要」

中部電力ミライズ「トップメッセージ」

中部電力ミライズ「グループ会社一覧」

中部電力「経済産業大臣からの会社分割の認可について」

中部電力ミライズ「ペロブスカイト太陽電池普及拡大プロジェクトが事業化支援対象に選定」

※企業情報は2026年9月時点の公開資料をもとにしています。

この記事を書いた人

趣味を兼ねた骨董品の売買を経て、株式やFXなどの投資に関心を持つようになりました。

投資先を考える根拠として日本企業の技術を調べる中で、見つけた情報とその後の進展を記録する必要性を感じ、AIの力を借りて「未来産業地図」を制作。

技術・企業・プロジェクトを結び付け、研究、実証、量産、商用化までの動きを継続して追跡しています。

目次