JAXA、低ブーム実証機の風洞試験で設計予測との一致を確認

JAXA、低ブーム実証機の風洞試験で設計予測との一致を確認
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JAXA、低ブーム実証機の風洞試験で設計予測との一致を確認

JAXAは、2028年ごろの飛行実証に使用する低ブーム超音速飛行実証機について、縮小模型を使ったソニックブーム検証風洞試験を実施しました。

試験では、実証機周辺に発生する圧力変動が設計時の予測とよく一致することが確認されました。

JAXAが開発する「ロバスト低ブーム設計技術」が、コンピューター上の計算だけでなく、実際の超音速気流でも予測に近い特性を示したことになります。

マッハ1.6の超音速気流で検証

試験は2026年4月6日から17日まで、JAXA調布航空宇宙センターの1メートル×1メートル超音速風洞で行われました。

使用したのは、飛行実証機のおよそ25分の1の大きさの模型です。

模型をマッハ1.6の超音速気流に入れ、機体周辺に発生する圧力変動を測定しました。

超音速機の周囲に生じる圧力変動は、大気中を伝わって地上へ到達すると、ソニックブームとして観測されます。

したがって、実証機が設計どおりのソニックブーム特性を持つか判断するには、機体周辺の圧力変動を正確に測定する必要があります。

専用の静圧レールで衝撃波を測定

今回の試験では、模型周辺の圧力を測定するため、先端を鋭くした「静圧レール」と呼ばれる専用の計測装置が使われました。

計測装置そのものが超音速の空気の流れを乱すと、正確な圧力データを得られません。

静圧レールは、測定への影響をできるだけ小さくしながら、模型周辺を通過する衝撃波と圧力変動を捉えるために設計されています。

JAXAは、この計測技術をNASAとも検証しており、NASAの低ソニックブーム実証機X-59の風洞試験模型を使った研究にも活用しています。

実測結果が設計予測と一致

風洞試験で取得した圧力データを設計時の予測と比較したところ、両者はよく一致しました。

これは、JAXAが提案するロバスト低ブーム設計技術の妥当性を裏付ける成果です。

ただし、今回確認されたのは縮小模型を使った風洞試験での結果です。

実際の大気中では、気温、風、乱気流などの影響を受けます。地上へ届くソニックブームを設計どおりに低減できるかは、実証機を飛ばして確認する必要があります。

次の段階は実証機の製造と飛行試験

Re-BooTプロジェクトでは、風洞試験と並行して実証機の製造も進められています。

実証機は全長約10メートルの無人機です。有人航空機で高度約13キロメートルまで運ばれ、上空で分離された後、重力を利用して超音速まで加速します。

飛行中は搭載コンピューターで自律制御され、地上の計測地点上空を指定された位置と速度で通過します。

JAXAは2028年ごろ、スウェーデン北部のエスレンジ宇宙センター周辺で飛行実証を行う計画です。

この進展が持つ意味

超音速旅客機の実用化を妨げてきた大きな問題の一つが、地上へ届くソニックブームです。

JAXAが目指すロバスト低ブーム設計は、飛行経路の直下だけでなく、側方や設計時とは異なる速度でも騒音を抑えることを目指しています。

今回の結果によって旅客機の実用化が決まったわけではありませんが、設計、数値解析、風洞試験、実証機製造、飛行実証という開発工程のうち、重要な地上検証を一つ通過しました。

次に注目すべきなのは、実証機の組み立てと地上試験、そして2028年ごろの飛行実証です。

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    この記事を書いた人

    趣味を兼ねた骨董品の売買を経て、株式やFXなどの投資に関心を持つようになりました。

    投資先を考える根拠として日本企業の技術を調べる中で、見つけた情報とその後の進展を記録する必要性を感じ、AIの力を借りて「未来産業地図」を制作。

    技術・企業・プロジェクトを結び付け、研究、実証、量産、商用化までの動きを継続して追跡しています。

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