カルコゲナイド赤外線透過ガラス

カルコゲナイド赤外線透過ガラス

TECHNOLOGY PROFILE

カルコゲナイド赤外線透過ガラス

Chalcogenide Infrared-Transmitting Glass

技術概要

カルコゲナイド赤外線透過ガラスは、可視光ではなく中赤外線・遠赤外線の波長域を透過させる特殊ガラスです。人や物体が放射する赤外線を検出するサーマルカメラ、ガス分析、赤外線分光、量子カスケードレーザーなどで使われます。

日本電気硝子のFI-02は、高い赤外線透過率、高屈折率、低分散、プレス成形による量産性を特徴とします。また、同社はヒ素・セレンなどの有害物質を使わない独自組成であることを公表しています。

技術詳細

赤外線カメラでは、センサーに届く熱放射を損なわずに通すレンズ材料が必要です。従来はゲルマニウム単結晶やカルコゲナイドガラスが代表的な選択肢でした。ゲルマニウム単結晶は赤外線透過性能に優れる一方、プレス成形に向かず、量産性や加工性が課題になります。

カルコゲナイドガラスは、プレス成形を利用できるため、複雑な非球面レンズを量産しやすい材料です。一方で、一般的な組成にはヒ素やセレンを含むものがあり、製造時の安全管理、環境負荷、顧客側の化学物質管理が課題になり得ます。

FI-02は、ヒ素・セレンなどを使わないこと、高屈折・低分散で広角レンズの設計に対応できること、プレス成形による量産を視野に入れることを特徴とします。日本電気硝子は、FI-02がゲルマニウムを一切使わないとは公表していません。そのため本技術は「ゲルマニウム不使用材料」と断定するのではなく、ゲルマニウムレンズ中心だった赤外線光学市場における新しい材料選択肢として評価します。

想定用途

  • サーマルカメラ
  • 非接触温度計測
  • 設備の温度監視・異常検知
  • 人検知・見守り
  • 車載ナイトビジョン
  • ガス検知・赤外分光
  • 量子カスケードレーザー用レンズ
  • 医療・セキュリティ・防災用途

技術的課題

  • 組成およびゲルマニウム使用量は非開示
  • ゲルマニウム単結晶とのシステム全体での性能・コスト比較
  • レンズ成形時の歩留まりと量産能力
  • センサー、反射防止膜、筐体を含む光学ユニットとしての認定
  • 採用顧客、販売数量、売上寄与の開示
  • 赤外線センシング市場の価格競争

この技術を使用するプロジェクト

この記事を書いた人

趣味を兼ねた骨董品の売買を経て、株式やFXなどの投資に関心を持つようになりました。

投資先を考える根拠として日本企業の技術を調べる中で、見つけた情報とその後の進展を記録する必要性を感じ、AIの力を借りて「未来産業地図」を制作。

技術・企業・プロジェクトを結び付け、研究、実証、量産、商用化までの動きを継続して追跡しています。

目次